ドロドロの不良馬場で、追い込み馬の末脚が殺されるような極悪馬場になってしまったうえに、ハクサンムーンが出遅れるというまさかの展開で、予想に反して先行馬でも勝負のできる展開に。
そんな馬場でハナを叩いて行ったのはエーシントップ。外から叩いて内に入れると、後続を引き離しての逃げの形を作る。
離れた2番手にはコパノリチャードとマジンプロスパー。その後ろにレディオブオペラらが進む。
直線に向いても、最内をロスなく回ったエーシントップがリードを保ったままの状態でラチ沿いを進む。まさかの逃げ粘りかと思われたが、そこへ追い込んできたのはコパノリチャード。コーナーはロスなく内を進み、直線で馬場のいい外に持ち出すと、そこから脚を伸ばしてエーシントップを猛追。残り100mで前を捕らえると、最後は3馬身差の快勝。逃げ宣言をしていたこの馬だったが、まさかの好位差しで見事にG1初勝利を挙げた。
2着には、馬場のいい外差しでスノードラゴン。これだけ時計の遅い馬場になっていれば、ダートで走るこの馬に分があったことは間違いないだろう。
ストレイトガールも外から差してきたものの3着。
そして、出遅れたおかげというべきか、外差しの競馬をしたハクサンムーンまでもが最後には5着に追い込んできた。
エーシントップはしぶとく粘って4着。あわや逃げ切りかという見せ場を作ったが、最後は馬場の悪い最内で粘り切れなかったか。
他の差し馬としては、あまりに馬場が悪くなりすぎたせいで内枠は全滅。また先行したレディオブオペラは大敗。左回りがだめなのか、この馬場がだめなのか、調子が戻っていなかったのか。夏のサマースプリントシリーズでの巻き返しを期待したい。
3枠5番 | コパノリチャード | M.デムーロ | 57 |
| 1:12.2
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8枠17番 | スノードラゴン | 大野 | 57 | △
| 1:12.7
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5枠9番 | ストレイトガール | 岩田 | 55 | ◎
| 1:12.9
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8枠16番 | エーシントップ | 武幸 | 57 |
| 1:12.9
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6枠12番 | ハクサンムーン | 酒井 | 57 |
| 1:13.0
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7枠13番 | アースソニック | 三浦 | 57 |
| 1:13.0
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7枠15番 | スマートオリオン | 横山典 | 57 |
| 1:13.1
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8枠18番 | マヤノリュウジン | 池添 | 57 |
| 1:13.1
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3枠6番 | リアルインパクト | 戸崎 | 57 |
| 1:13.3
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5枠10番 | シルクフォーチュン | 藤岡康 | 57 |
| 1:13.4
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4枠8番 | ガルボ | 石橋 | 57 |
| 1:13.5
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1枠2番 | サクラゴスペル | 松山 | 57 |
| 1:13.5
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2枠3番 | サンカルロ | 吉田豊 | 57 | ▲
| 1:13.6
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2枠4番 | レッドオーヴァル | 川田 | 55 | ×
| 1:13.7
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7枠14番 | レディオブオペラ | 藤田 | 55 | ○
| 1:14.3
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6枠11番 | インプレスウィナー | 丸田 | 57 |
| 1:14.4
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4枠7番 | レッドスパーダ | 四位 | 57 |
| 1:14.7
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1枠1番 | マジンプロスパー | 内田 | 57 |
| 1:15.0
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結果:-400円
好位から人気のエーシンゴールド、中団から早めに動いたソロル、後方からいつも通りまくっていったジェベルムーサ。3頭が直線で抜け出して、そのまま叩き合いに持ち込むと、抜け出したのはソロル。一方、エーシンゴールドは少しペースが早かったせいもあったか、徐々に失速。
そこに大外から追い込んできたのはドコフクカゼ。脚を溜め、前の3頭より遅れて追い込んでくる。
しかし抜け出していたソロルには及ばず。ソロルはそのまま押し切り、初重賞制覇を決めた。
2着にはジェベルムーサ。3着にドコフクカゼ。
エーシンゴールドは4着と最後は粘り切れなかった。
8枠15番 | ソロル | 蛯名 | 56 | △
| 1:51.2
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3枠5番 | ジェベルムーサ | 田辺 | 57 | ◎
| 1:51.3
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1枠2番 | ドコフクカゼ | 後藤 | 55 |
| 1:51.3
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5枠10番 | エーシンゴールド | バルジュー | 56.5 | ○
| 1:51.4
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6枠12番 | クリノスターオー | 松岡 | 55 |
| 1:51.6
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結果:-500円
後方追走のウインバリアシオンが3コーナーで仕掛けると、あっさりと先頭に立ち直線で突き放す快勝。脚元の不安も心配ないと言わんばかりの勝ちっぷり。オルフェーヴルの2番手に甘んじていたこの馬がついに主役となることができるのか。天皇賞春への期待が高まる勝ちっぷりだった。
2着争いは、早めに抜け出したサトノアポロと内ラチ沿いに突っ込んできたラストインパクトが争っているところに、離れた大外から飛んできたホッコーブレーヴ。長距離が得意な馬ではあるが、まさかの強烈な追い込みだった。
3着にラストインパクト。前走ほどの強さは見られず、この荒れた馬場は合っていないのか、それとも距離が長いのか。
オーシャンブルー、アドマイヤフライトの人気どころは見せ場なく負けてしまった。重賞で勝負を続けられるほどの強さにはないということなのか。
フェノーメノは直線で伸び切れず。次走に期待したい。
6枠10番 | ウインバリアシオン | 岩田 | 56 | ◎
| 2:34.4
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6枠11番 | ホッコーブレーヴ | 田辺 | 56 |
| 2:34.7
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2枠2番 | ラストインパクト | 川田 | 55 | ▲
| 2:34.9
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3枠5番 | サトノアポロ | 三浦 | 56 |
| 2:34.9
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5枠8番 | フェノーメノ | 蛯名 | 58 |
| 2:34.9
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8枠15番 | ダービーフィズ | 田中勝 | 55 |
| 2:35.1
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3枠4番 | サイレントメロディ | 柴田善 | 56 |
| 2:35.2
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4枠7番 | アスカクリチャン | 戸崎 | 57 | △
| 2:35.2
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2枠3番 | ジャガーメイル | 石橋 | 57 |
| 2:35.2
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7枠13番 | オーシャンブルー | M.デムーロ | 56 | ○
| 2:35.3
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4枠6番 | サクラアルディート | 吉田豊 | 56 |
| 2:35.4
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8枠14番 | アドマイヤフライト | 内田 | 56 | △
| 2:35.6
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1枠1番 | プロモントーリオ | 横山典 | 55 |
| 2:35.6
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7枠12番 | マイネルジェイド | 松岡 | 55 |
| 2:36.3
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5枠9番 | トレイルブレイザー | 後藤 | 56 |
| 2:36.7
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結果:-400円
4コーナーから動いて直線に向いて早々と先頭に立ったのはステファノス。しかし、さすがにこれは早仕掛けすぎたか、内からエイシンブルズアイが差し返す。
外からアズマシャトルとラングレーが伸びては来るが、前には届きそうになく、この2頭の決着かと思ったが、内からじわじわと伸びてきたのはマイネルフロスト。共同通信杯同様、切れる脚はないものの最後の最後までしぶとく伸び続けると、最後は粘るエイシンブルズアイを交わして重賞初勝利を挙げた。
2着エイシンブルズアイは、前走のようにかからなければ重賞で通用するということを示した。
3着のステファノスは仕掛けが早すぎたか。
ラングレーは4着。こちらも一瞬の切れで勝負するタイプはないだろうから、勝ち馬とは内外の差が出たかもしれないし、距離も少し短かったか。
アズマシャトルはラジオNIKKEI杯のような切れる脚が見られなかった。もう少し時計のかかる馬場のほうがいいのだろうか。
1枠1番 | マイネルフロスト | 柴田大 | 56 | △
| 1:46.7
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2枠2番 | エイシンブルズアイ | 秋山 | 56 | △
| 1:46.7
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8枠14番 | ステファノス | シュタルケ | 56 |
| 1:46.7
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7枠12番 | ラングレー | 北村宏 | 56 | ▲
| 1:46.8
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4枠6番 | アズマシャトル | 松山 | 56 | ◎
| 1:46.9
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結果:-400円
ドバイワールドカップは好位から進んだホッコータルマエ、中団後ろから進んだベルシャザールともに手ごたえが怪しく、伸びを欠いて大敗。やはりオールウェザーとなると馬場適性の差があるのだろうか。それに、日本のダートの強豪では世界には通用しないということもあるだろう。このレースをヴィクトワールピサが過去に制したように、日本のダート馬に限らず芝を走る馬を含めて、純粋に強い馬が出ていかないと、オールウェザーのレースは勝負にならないかもしれない。
ドバイシーマクラシック。デニムアンドルビーが逃げるというまさかの展開に、ジェンティルドンナは中団追走。ペースがそれほど上がらず、馬群が固まり1コーナーで馬同士がぶつかり合って1頭そのまま競走を中止するというアクシデントがあった。
ジェンティルドンナは少しぶつかっていたようにも見えたが、変わりなくレースを続け、馬群の中で脚を溜める。
直線に向くと、馬群を割って逃げるデニムアンドルビーの外を割ろうとするも、前に入られてしまう。そこでその外に出そうとするも、そこでまた別の馬に寄せられて、スペースを完全に失ってしまう。その瞬間、鞍上のムーアは少し下げるロスもありながらも、一気にさらに外へ持ち出す。ようやく前が空いたのは残り250m。
しかし、外に持ち出して進路ができたところでついにジェンティルドンナの本領発揮。ここまで不本意ながらも溜めに溜めることになった末脚が一気に爆発。進路をふさがれていた2頭を外から一気に交わす強烈な末脚を見せ、見事な差し切り勝ち。昨年の雪辱を果たす、鮮やかな差し切り勝ちだった。ジェンティルドンナの衰えという不安を感じていたが、全くそんなことはなかった。
逃げたデニムアンドルビーは残念ながら10着。
ドバイデューティフリー。トウケイヘイローの逃げに、ロゴタイプが好位の外に追走。期待のジャスタウェイは後方追走。今まで後方一気でドバイを勝つ姿をあまり見たことがなかったので、ジャスタウェイに少し不安を持っていたが、直線に向いた瞬間にそれは消え去った。
外に持ち出すと並ぶ間もなく先頭へ。2番手以下をあっという間に突き放し、独走。6馬身以上の差をつける大楽勝で、間違いなくこの距離で世界最強だと、世界中に印象づける勝利だった。勝ちタイムも、1分45秒台と、ドバイでは考えられないほどのタイム。メイダンのレコードを2秒以上更新するという驚愕の勝ち方で、今後のヨーロッパのビッグタイトルも視野に入ってきた。
ロゴタイプとトウケイヘイローは好位から伸び切れず6、7着。少しこちらは残念な結果となってしまった。トウケイヘイローが香港カップで2着ということで、少しトウケイヘイローへのマークも厳しくなったか。先行馬には大変だったかもしれない。
ゴドルフィンマイルに出走したブライトラインは外から先行して直線にいい手応えで向かうが、前を捕らえることができず、最後は後ろから差されて5着だった。
日本馬が出走はしていなかったが、ドバイゴールデンシャヒーンなど、短距離戦線では香港勢が2勝。それらをぶっちぎったロードカナロアというのはどれだけ強かったのかと、今になって改めて思い知らされた。
それを考えると、ロードカナロアを含めて、現状、芝では日本馬は世界の頂点にいると言えるのではないだろうか。