芝のトップレベルのようなスピードは無くても、コーナーで上手く立ち回り、勝負どころで反応して馬群を難なく割って抜け出し、競りかけられると再び盛り返す勝負根性と、地味でも間違いなく強いレースを見せて、ソダシが白毛馬初のG1制覇を達成した。
ただ、母同様ゲート入りを嫌うようなところを見せ始めたのが不安。今後は本命にしにくくなった。
2着はサトノレイナス。ディープインパクト産駒だがそこまで切れる脚がなく、陣営がレース前から言っていたようにもう少し距離が欲しいタイプなのだろう。オークスで狙うようなタイプの馬か。ただ、勝負どころでの反応の遅さは距離が延びても通用しそうだが、ゴール前でソダシに差し返されたのは、気を抜いたからなのか、それとも脚が上がったからなのか。もし脚が上がったからだとすれば、使える脚がかなり短いタイプで、オークスの東京コースのように直線の長いコースは合わないかもしれない。
距離が延びた方が間違いなくいいと思っていたユーバーレーベンが3着。マイルでも突っ込んで来て、上がりはメンバー最速。札幌2歳Sでかなり長く脚を使って2着に来たレースが印象的だったが、今回の末脚は予想を上回る能力だった。
メイケイエールは今回も折り合いを欠いて、最後は力尽きて4着。直線入り口では前走同様外から抜け出してくるのかと思ったし、直線途中でもソダシと並んで先頭に立っていたが、マイルでは折り合いを欠いた影響が大きかったようで、最後に止まってしまった。それでも4着なのだから、本当に折り合いがつくようになればもっと活躍できそうだが、どこまで成長できるか。
人気のインフィナイトは早々に脱落。初の良馬場でどれだけ走れるかと気になるところだったが、雨が得意なだけだったか。
3枠6番 | ソダシ | 吉田隼 | 54 | ◎
| 1:33.1
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4枠7番 | サトノレイナス | ルメール | 54 | △
| 1:33.1
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6枠11番 | ユーバーレーベン | デムーロ | 54 |
| 1:33.2
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8枠18番 | メイケイエール | 武 | 54 | △
| 1:33.3
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4枠8番 | ヨカヨカ | 福永 | 54 |
| 1:33.5
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6枠12番 | オパールムーン | 横山典 | 54 |
| 1:33.6
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2枠3番 | ジェラルディーナ | 岩田康 | 54 | △
| 1:33.6
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3枠5番 | サルビア | 松山 | 54 |
| 1:33.8
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7枠13番 | アオイゴールド | 団野 | 54 |
| 1:34.0
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1枠2番 | ルクシオン | 西村淳 | 54 |
| 1:34.0
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7枠15番 | エイシンヒテン | 松若 | 54 |
| 1:34.0
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2枠4番 | リンゴアメ | 丹内 | 54 |
| 1:34.1
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1枠1番 | ウインアグライア | 横山武 | 54 |
| 1:34.1
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8枠16番 | インフィナイト | 北村友 | 54 | ○
| 1:34.4
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5枠9番 | ナムラメーテル | 和田竜 | 54 |
| 1:34.4
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8枠17番 | フラリオナ | 浜中 | 54 | ▲
| 1:34.4
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5枠10番 | シゲルピンクルビー | 幸 | 54 |
| 1:34.7
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7枠14番 | ポールネイロン | 藤岡佑 | 54 |
| 1:35.3
|
結果:
ワイド340円的中 -260円
予想通りダンシングプリンスが飛び出すところに、内のヒロシゲゴールドが譲らず、前半3ハロンは33秒2というハイペースに。それでもダンシングプリンスは3着に粘り、能力の高さを示した。重賞の強豪相手で、これだけのハイペースでも最後まで粘って、時計も前走より早く、これで疑うことなく重賞で狙える馬ということになった。ただ、このレース内容では1400mですら厳しいかもしれない。
そんなダンシングプリンスの素質の高さも目立ったが、それを見るような位置からレースを進めたジャスティンは、58キロを背負いながらもそれを交わして先頭でゴール。重賞3勝目で、揉まれずに走った時の強さを見せつけた。
2着にはレッドルゼル。力のある2頭が前で残る中で、1頭だけ他馬とは違う脚で外から差してきた。ただ、川田らしく直線に向いてからしっかり外に持ち出して追い込んでくる安全騎乗で、勝ちを狙っているのか疑いたくなるようなレースだった。
去年2着のテーオージーニアスは、去年より早いメンバー最速の上がり35秒1を使っても10着。去年は前半3ハロンが32秒台だったので、1200mの重賞級の先行馬相手だと、よほどのハイペースにならない限りは34秒台の上がりでも使わない限りは勝負にならないのかもしれない。それを考えると、かつてのシルクフォーチュンというのは凄い馬だったと今になって思い出している。
1着:ジャスティン ▲
2着:レッドルゼル ◎
3着:ダンシングプリンス △
4着:ダイメイフジ
5着:スズカコーズライン
結果:
ワイド810円的中 +210円
ヴェロックスが外から差し切るかと思ったが、勝ったのは同じ勝負服のボッケリーニ。初の2000mだったが問題なしに内から差し切った。
2着にはシゲルピンクダイヤ。こちらも2000mは少し長いかと不安だったが、マイルや1800mと同じように末脚を伸ばした。
中京らしい、スローペースでも前で粘り切れず外が伸びる競馬となって、切れる脚の使える馬が有利なレースでヴェロックスの得意な展開ではなかったと思うが、それでもこのメンバーに負けてしまったので、結局この程度の馬だったかと、少し失望した。同じような中団より少し前の位置にいたボッケリーニとシゲルピンクダイヤの争いに負けてしまったのだから、単純に力不足だったように見えた。
1着:ボッケリーニ △
2着:シゲルピンクダイヤ
3着:ヴェロックス ◎
4着:ショウナンバルディ
5着:グロンディオーズ
結果:
ワイド550円的中 +50円
ここまで強烈に、2頭の人気が抜けているとは思わなかった。いっそのこと外した方がすがすがしいくらいのトリガミ。
順当にマスターフェンサーが差し切って、ロードゴラッソがそれに続いて2着。予想外に粘ったのが、スタートを決めて前で残ったダイシンインディー。東京2100mでも逃げ切っているので、マイペースで楽に逃げられればしぶといようで、小回り名古屋向きだった。
逆にサウンドトゥルーは小回りコースに苦戦したか伸びきれず4着。サクラアリュールも途中で脚がなくなり6着。距離やコースの前に、休み明けで馬体重プラス13キロのせいではないか。
7枠10番 | マスターフェンサー | 川田 | 56 | ◎
| 2:44.8
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5枠6番 | ロードゴラッソ | ルメール | 56 | △
| 2:45.2
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7枠9番 | ダイシンインディー | 岩田康 | 56 |
| 2:45.4
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5枠5番 | サウンドトゥルー | 森泰 | 58 | ▲
| 2:45.8
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1枠1番 | ミツバ | 和田竜 | 58 |
| 2:46.2
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6枠8番 | サクラアリュール | 武 | 56 | ○
| 2:46.8
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3枠3番 | キーグラウンド | 宮下 | 56 |
| 2:48.6
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4枠4番 | グランドサッシュ | 加藤聡 | 56 |
| 2:50.2
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6枠7番 | スパークルメノウ | 村上弘 | 56 |
| 2:51.1
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8枠12番 | シンボ | 赤岡 | 54 |
| 2:51.9
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2枠2番 | メイショウオオゼキ | 浅野 | 56 |
| 2:52.3
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8枠11番 | サザンオールスター | 大畑 | 56 |
| 2:56.3
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結果:
ワイド140円的中 -370円
まさか、日本馬がマジカルを押さえて勝利するとは。しかも、マジカルに2頭も先着するとは。
勝ったのはノームコア。これも驚き。ヴィクトリアマイルに続く2つ目のG1タイトル制覇となった。今年は札幌記念を勝っていたので、適性がマイルから2000mへとシフトしていたのかもしれないが、それでもここで勝つほどの力を付けているとは思わなかった。ただ、今年の香港は例年より外差しが決まっていたので、馬場状態も味方したのかもしれない。そして、道中はノームコアはマジカルの外にいたおかげで、マジカルが内に閉じ込められていたことも上手く行ったのかもしれない。
ウインブライトは、3つ目の香港G1タイトルとはならず、惜しくも2着。それでもこの馬らしい好位から抜け出して粘りこむレースを見せてくれた。
ダノンプレミアムは、逃げるタイムワープに競りかける積極的な競馬で最後は失速して4着。逆にタイムワープに競りかけすぎて自分の首を絞めてしまったようなレースだった。ペース自体は遅かったのでスローで先行できて展開は良かったのだが、タイムワープが昔のように強くないので、直線で早めに先頭に立ってしまい、後続の目標にされてしまった。
1着:ノームコア
2着:ウインブライト ○
3着:マジカル ◎
4着:ダノンプレミアム △
5着:フローレ ▲
結果:-300円
去年このレースを制したアドマイヤマーズは、十分力を出し切ったのではないか。去年に続いてワイクク、ビューティージェネレーションを押さえたのだから、マイルであれば世界で通用するレベルということを、今年も示してくれた。今年は外から積極的に先行し、直線では2頭に捕まったかと思いきや、そこから勝負根性を見せて差し返した。
ただ今年は相手が悪かった。ゴールデンシックスティがそんな争う3頭をあっさり外から交わして行って、11連勝で香港マイルを制覇。ビューティージェネレーションのように自分でレースを作って逃げたり好位から抜け出すタイプではなく、後ろから行く馬でこの連勝は圧倒的。今日も1頭だけ外から飛んできた。これが世界トップレベルのG1レースだということを疑いたくなるような、1頭だけ別格の末脚だった。できることなら、グランアレグリアとの末脚勝負を見たかった。それくらい、1頭だけレベルが違った。
1着:ゴールデンシックスティ ◎
2着:サザンレジェンド △
3着:アドマイヤマーズ ○
4着:ワイクク △
5着:ビューティージェネレーション ▲
結果:
三連複1410円的中 +810円
まさかのダノンスマッシュの香港スプリント制覇。ロードカナロアの連覇が大偉業だっただけで、日本馬には厳しいレースだと思っていたが、こうも続けて勝ってしまうとは想像できなかった。しかも、日本でG1を勝っていないダノンスマッシュがというのも驚き。
ただ、今年は例年に比べると地元香港勢が少し手薄だった印象はある。人気のホットキングプローンは7着だし、他に香港のスプリントG1を勝っている馬もおらず、多少はメンバーに恵まれはしたか。例年なら、スピードある香港馬が逃げ、先行して押し切るレースなのだが、今年は馬場状態も違ったのか、中団の外にいたダノンスマッシュが差し切り、2着から5着はそのダノンスマッシュより後ろにいた馬が一斉に外から追い込んでくるという、まさに外差しの競馬だった。
そうは言っても、ダノンスマッシュが世界のスプリンター相手に勝ったことは事実で、父ロードカナロアに続いてこのレースを制した安田隆行厩舎のスプリンター育成力は見事。
1着:ダノンスマッシュ
2着:ジョリーバナー
3着:ラタン ▲
4着:ウィッシュフルシンカー
5着:ファットタートル
結果:-400円