2018年08月21日

2018高ボッチ高原観光草競馬大会観戦記

日本の競馬場全制覇、とこれまでの観戦記で書いてきたものの、中央競馬と地方競馬の他に、草競馬というものが存在することはあまり知られていないだろう。
そんな草競馬を完全に無視して、全制覇をアピールして良いのだろうか。と言っても、ほとんどの草競馬は1年に1回の開催なので、それを全て見に行くのはなかなか難しい。

そんな中で、相変わらず青春18きっぷを使うことを前提として観戦に行ける草競馬を探したところ、夏の18きっぷ期間中に、長野県塩尻市で高ボッチ高原観光草競馬大会というものが行われていることが分かったので、初の草競馬観戦に。


2018年は8月4日の土曜日開催。例年は日曜日開催らしいが、8月5日の日曜日は長野県知事選挙のため土曜日開催になったらしい。
いつも通り、青春18きっぷでの旅行。出発は金曜日。ちょうど、日本三大花火の1つ、新潟県の長岡花火が8月2日、3日の開催なので、3日の金曜日に長岡花火を見て、その日の夜は直江津に泊まり、翌日土曜日に始発で塩尻へ。
塩尻駅からは無料のシャトルバスで1時間くらい。シャトルバスは15分に1本くらいの頻度で、なかなか便利。

バスは山道をぐんぐん進んで行くと、急に開けたところに出た。そこは開催地高ボッチ高原の名前の通り、高原。周り一面が山に囲まれており、その高原に競馬のコースを作ってレースを行っていた。
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どうやら、日本一標高の高い競馬場らしく、正確には分からないが、周りの山の高さを参考にすると、おそらくコースのある場所でも標高は1000m以上は間違いなくありそう。もしかすると1500mくらいあるかもしれない。
コースは1周400mと、競輪場並みの小ささ。左回りダートコースで、高原なので完全に平坦ではなく、アップダウンがきつく、特に1コーナーの坂は急勾配になっている。
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これだけ狭いコースなので、例えば1200mのレースだと、コースを3周もすることになる。そうなるとこれもやはり競輪のようで、最後の1周で鐘が鳴る。
そして、コースの幅がものすごく狭く、1レースには5頭程度しか出走しないが、3頭も横に並べばもうコースがふさがる。そのため、差しや追い込みはもちろん届かず、スタートをいかに決めて、そのまま押し切るかが重要になってくる。というより、レースを見ている最中に前の馬が交わされたシーンが記憶にないほど、スタートで全てが決まると言っても過言ではない。

そのスタートも、ゲートのようなものはなく、スタートラインが決められており、その手前で各馬の態勢がある程度整ったところで係員が旗を振り下ろせばスタートというもの。そのため、スタートの時にスタートラインから離れた後ろのほうにいる馬は当然勝負にならないし、逆にスタートのタイミングで後ろからキャンターのような形でやってきてスタートを切るような馬は抜群のスタートで飛び出して行ける、というようなもので、普段ギャンブルとしての競馬ばかり見ている立場だと、あまりにも適当すぎるという印象を受ける。
ただ、草競馬に出てくるような馬は、きちんと鍛えられたような馬ではなく、乗馬クラブや牧場経営の個人が所有しているような馬なので、ある程度馬の力の差が最初から分かっているのか、スタートの時にスタートライン近くでポジション争いをするようなこともなく、遅い馬は最初から後ろのほうでスタートを待っているように見えた。これもあって、レースでの差しや追い込みは起こらないのだろう。


そんなレースに乗っている人というのも、おそらくその馬の関係者という様子だったが、定かではない。きちんとした勝負服を着ている人もおり、もしかすると元々は地方競馬で騎手をやっていた人などもいたのかもしれない。その他には、牧場の子供、乗馬クラブのスタッフ等が乗っていたのではないだろうか。ただ、そういった経歴は詳しくは分からないが、全員がちゃんとした騎乗スタイルで、まさに騎手という格好でレースに乗っていたので、なかなか競馬として、さまになっていた。
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レースのプログラムだが、サラブレッドの他に、ポニー、中間種、農耕馬など色々な種類の馬のレースがあり、サラブレッドは距離が長く、ポニーは短いというように、種類に適した距離に設定されていた。また1レースだけ組まれていた速歩競走は、人間の陸上競技で言う競歩のようなもので、草競馬ならでは。こちらは馬の種類は関係ないようだった。
サラブレッドはさすがにスピードも速いが、1周400mの超小回りコースではそれほど早い時計も出ない。1200m戦でタイムが1分30秒程度。サラブレッドはどうやら元々は中央競馬などで走っていた馬もいるとの話だったが、馬名が変わっているのでよく分からなかった。
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レースは午前中が予選。そして昼休みを挟んで午後が決勝という内容。午前中に走ったタイムや着順をもとに、午後の出馬表が確定するという形式なので、普通の競馬では考えられないが、1日に2レース走ることになる。
また、レースは午前だけで15レースも組まれているので、かなりその間隔は狭い。10分に1レースくらいのペースで走っているので、絶えずレースが行われているような印象を受ける。

また、昼休み前には、JRAのイベントとして行われているジョッキーベイビーズの予選も行われていた。子供の騎手によるポニー競馬で、勝てば東京競馬場での本戦に進めるというもの。ただ、上に書いたように馬の力の差がありすぎるので、結局はその子供の力というよりは、登録している馬の強さで全てが決まっているような印象だった。


草競馬というのは、当然馬券は売っていない。駅前には他のお祭りと同じように横断幕が飾られていたし、シャトルバス乗り場の横ではパンフレットを配っていた。そのパンフレットは草競馬のプログラムの他に、地域の企業やお店の広告が載っているようなものだった。他にも、地元のケーブルテレビらしき人たちが撮影していたりと、その地域のお祭りのようなものというとらえ方がしっくりくる。

観客も、ブルーシートを敷いてビールを飲みながら見物しているような地元の人たちや、カメラを持って写真撮影を楽しむ人たちがほとんどで、なんならスタートの合図をする係員までもがビールを持っており、完全にお祭りといった感じ。

レースの観戦は、コースの周りをぐるりと1周歩いて回ることができるので、どこからでも見ることができる。それだけ広ければ人が多くて見にくいということもない。またコース幅が狭いので、コースの外側で見ているにも関わらず目の前を馬が走って行くので、その迫力は新潟の千直のような感じ。ただ、その迫力の代償として、砂埃まみれになってしまうのは仕方ないところか。

さらに、厩舎のようなものは当然ないため、出走馬はコースのすぐそばに設けられた、木の柵で囲まれただけの馬房のような場所に1頭ずつ繋がれているだけなので、本当に間近で見ることができる。レースに出走する時になると、そこから普通に観客のいるところや道路を渡ってコースに向かってくる。馬の道と人の道が分けられていることもない。

こうした雰囲気なので、競馬を楽しむというよりは、本当に馬を見るのが好きな人にはもってこいのイベントだと思った。


個人的には、馬を見るだけで楽しむことはそれほどできないと思うので、何度も足を運びたくなるイベントではないと思った。ただ、その草競馬が行われている場所というのが、今回は山の上だったが、他の草競馬場は海岸の砂浜だったりするようなので、そういった場所で馬が走っているという雰囲気を楽しみ、ゆったりと時間を過ごすという目的で、別の草競馬場にも訪れたいと感じた。

そのため、国内の草競馬場を全て制覇するつもりはないが、あと2つか3つくらいは行ってみようかと計画をしている。
posted by ナイト at 13:49| Comment(0) | 競馬観戦記 | 更新情報をチェックする
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