ハイペースで逃げたキセキが懸命の粘りを見せる所に、好位からオジュウチョウサンとミッキーロケットが迫るが、それを外から交わして行ったのが3頭。
勝ったのはブラストワンピース。まるでシルクジャスティスのように、無冠の3歳馬でシルクの馬主が有馬記念を制した。小回り中山には不安があると思っていたが、これまでの末脚勝負の競馬ではなく、好位の外め追走から差し切る競馬でG1勝利となった。クラシック制覇を期待されながらも無冠に終わったのでその実力を疑っていたのだが、ここで本来の力を見せてくれた。
2着にはレイデオロ。古馬では強いのは間違いないことを天皇賞秋、有馬記念ともに証明したが、3歳馬に屈する結果となってしまった。JCもアーモンドアイが勝っているし、マイルCSはステルヴィオが勝利。今年の3歳世代はダートに限らず芝もレベルが高いのかもしれない。
3着にはシュヴァルグラン。不利な8枠だったが、今年の馬場とキセキの作り出したハイペースも味方して、最後は馬群を割って伸びてきた。ただ、どうしても後ろからの競馬で反応も悪い馬なので、有馬記念ならこのあたりが限界だろう。
逃げたキセキは大崩れせずに5着なら、十分評価して良いだろう。そして何より秋古馬3冠を皆勤賞だということが素晴らしい。
ミッキーロケットは好位からオジュウチョウサンと一緒にキセキを捕まえに行って、キセキを交わしての4着と大健闘。宝塚記念同様に小回りの時計のかかる馬場が合っているのだろう。
注目のオジュウチョウサンはミッキーロケットに負けず劣らずの反応で直線途中まで一緒に上がっていったが、最後に失速して9着。スタミナ自慢と言えども平地での限界を感じるようなレースだったように思う。そうは言っても、好スタートでハナに立ち、その後はキセキを前に行かせての2番手で楽に追走していたことから、平地のG1でも見劣りしないスピードがあることは分かったし、十分に見せ場のある内容だった。そしてオジュウチョウサンと武のすごいところは、マカヒキやクリンチャー、スマートレイアーといった武が乗ることも出来たであろう他の有力馬にきっちり先着しているところ。
期待していたパフォーマプロミスはかかり気味にレースを進めて後ろからの競馬になり、直線で全く伸びなかった。
4枠8番 | ブラストワンピース | 池添 | 55 | 2:32.2 | |
6枠12番 | レイデオロ | ルメール | 57 | ○ | 2:32.2 |
8枠15番 | シュヴァルグラン | ボウマン | 57 | × | 2:32.4 |
6枠11番 | ミッキーロケット | マーフィー | 57 | 2:32.7 | |
7枠14番 | キセキ | 川田 | 57 | 2:32.8 | |
3枠6番 | サトノダイヤモンド | アヴドゥラ | 57 | 2:32.8 | |
8枠16番 | サクラアンプルール | 田辺 | 57 | 2:32.9 | |
2枠3番 | モズカッチャン | デムーロ | 55 | × | 2:33.0 |
1枠1番 | オジュウチョウサン | 武 | 57 | ◎ | 2:33.0 |
2枠4番 | マカヒキ | 岩田 | 57 | △ | 2:33.0 |
5枠10番 | ミッキースワロー | 横山典 | 57 | 2:33.1 | |
5枠9番 | リッジマン | 蛯名 | 57 | 2:33.4 | |
7枠13番 | スマートレイアー | 戸崎 | 55 | 2:33.5 | |
3枠5番 | パフォーマプロミス | C.デムーロ | 57 | ▲ | 2:33.7 |
1枠2番 | クリンチャー | 福永 | 57 | △ | 2:33.8 |
4枠7番 | サウンズオブアース | 藤岡佑 | 57 | 2:34.5 |
結果:ワイド690円的中 +190円
逃げ争う馬もおらず、ダイアナヘイローが楽に先手を主張すると、そのまま淡々と逃げ切って阪急杯に続いてこのコースの重賞勝利を決めた。今は1200mのスピード勝負だと通用していない馬なので、この馬のベストの距離は1400mなのだろう。
2着にミスターメロディ。好位追走から直線でダイアナヘイローに迫ったが、最後まで交わしきれなかった。
3着に内ラチ沿いから追い込んだスターオブペルシャ。さらに4着にも内で先行していたダイメイフジと、終わってみれば有馬記念ではなくこちらが内枠の先行馬決着だった。
外の人気馬、ジュールポレール、ケイアイノーテック、ワントゥワンはその後ろ、5、6、7着に追い込むのが精一杯。枠と展開の有利不利がはっきりと出たレースだった。
2枠3番 | ダイアナヘイロー | 菱田 | 55 | 1:21.1 | |
1枠2番 | ミスターメロディ | C.デムーロ | 56 | ▲ | 1:21.2 |
3枠5番 | スターオブペルシャ | 杉原 | 57 | 1:21.5 | |
1枠1番 | ダイメイフジ | 酒井 | 57 | 1:21.7 | |
8枠15番 | ジュールポレール | デムーロ | 55 | ○ | 1:21.7 |
7枠13番 | ケイアイノーテック | 藤岡佑 | 56 | ◎ | 1:21.9 |
7枠14番 | ワントゥワン | 福永 | 55 | △ | 1:22.1 |
6枠11番 | レッドファルクス | ボウマン | 57 | 1:22.2 | |
8枠16番 | ベステンダンク | 松山 | 57 | 1:22.3 | |
5枠9番 | ラインスピリット | 武 | 57 | 1:22.5 | |
4枠8番 | カルヴァリオ | 池添 | 57 | 1:22.5 | |
4枠7番 | シュウジ | 岩田 | 57 | 1:22.6 | |
6枠12番 | レーヌミノル | 和田 | 55 | 1:22.9 | |
3枠6番 | ムーンクエイク | ルメール | 57 | 1:23.1 | |
5枠10番 | サトノアレス | 川田 | 57 | 1:23.6 | |
2枠4番 | ヒルノデイバロー | 四位 | 57 | △ | 1:26.4 |
結果:-500円
オジュウチョウサンが平地に転向しても、新たなパートナーとともに石神がJ・G1をまたしても勝利。6連勝というすごい記録を打ち立てた。脚に不安のあるニホンピロバロンは中山GJ3着以来、ぶっつけでの中山大障害だったが、直線で抜け出して先頭に立つと、タイセイドリームの猛追を凌ぎきった。かつてはアップトゥデイトにも勝っての障害5連勝を達成していたほどの実力馬なので、故障さえなければオジュウチョウサン、アップトゥデイトと3強時代を築けていたであろう実力馬が、8歳にしてついにJ・G1のタイトルを手に入れた。
2着にはタイセイドリーム。こちらも故障で今年長期休養から戻ってきた馬。ゴール前では先に抜け出したニホンピロバロンに外から迫った。惜しくもハナ差届かなかったが、故障前からの衰えを感じさせない相変わらずの末脚だった。
3着にマイネルプロンプト。これまでの障害のレースでも最後までしっかりと脚を伸ばしていた馬だったので、この距離でのレースが合っていたのだろう。
逆に人気していたミヤジタイガは、予想通りこの距離では通用せず。いつもと変わらない、早めに先頭を奪う積極的な競馬で勝負を懸けたが、これまでと同じように最後の直線で大失速してしまった。
ルペールノエルは全く見せ場無く終わった。中山GJ、中山大障害ともに後方からの競馬で最後は追い込んで来ていた馬だが、今年は不発。オジュウチョウサンがとんでもないレコードタイムで走った時に比べて、今回は時計も平凡だったので前の馬が止まらなかったことが原因かもしれない。ただ、それよりも問題なのはどうしていつもJ・G1になると後方からの競馬をしているのか。正直、J・G1に限って言えば、毎回高田がわざと負けるような競馬をしているようにしか見えない。
そして、この高田よりもひどい騎乗をしたように思うのは、白浜。この大障害で波乱を呼んだのは、大本命アップトゥデイトの落馬だが、これは鞍上白浜の大失態だと思っている。ここ2走、林から乗り替わった白浜はアップトゥデイトのスタミナを活かすような大逃げをすることなく、ペースを落としての競馬を続けており、2走前はそのせいでヨカグラのまくりに付いて行くことが出来ずに負けてしまった。今回のレースでもその反省が全く見られなかった。後続を引きつけるような溜め逃げで、途中でミヤジタイガがペースアップして、さらにニホンピロバロンにも交わされて、焦ったように白浜が追い出したところで、障害の飛越に失敗して落馬。もっと道中で引っ張ることなく、馬に任せたペースでスムーズに逃げていれば、これまでのJ・G1のように大差を付けて逃げ切れたのではないだろうか。レースの勝ち時計が今年は去年よりも4秒も遅いわけだから、去年のようにマイペースで逃げさせていれば今年のメンバーなら楽勝できるにも関わらず、後続の他の馬に合わせるような競馬をしたがために、ピンチを招いて自滅したように思う。白浜は歴代の障害重賞勝利数で1位タイなのだが、全くその実力を感じさせないひどい騎乗だったし、中山GJで騎乗していたニホンピロバロンは石神に乗り替わって勝ちを持って行かれてしまったように、散々な内容だった。
4枠5番 | ニホンピロバロン | 石神 | 63 | ○ | 4:40.8 |
5枠6番 | タイセイドリーム | 平沢 | 63 | ▲ | 4:40.8 |
4枠4番 | マイネルプロンプト | 森一 | 63 | 4:41.1 | |
2枠2番 | シンキングダンサー | 金子 | 63 | 4:41.5 | |
6枠8番 | ミヤジタイガ | 西谷 | 63 | 4:41.9 | |
3枠3番 | プレシャスタイム | 北沢 | 63 | 4:42.5 | |
7枠10番 | ルペールノエル | 高田 | 63 | △ | 4:43.4 |
8枠12番 | シゲルクロカジキ | 植野 | 63 | 4:44.5 | |
8枠13番 | シゲルロウニンアジ | 中村 | 63 | 4:44.8 | |
1枠1番 | エルゼロ | 五十嵐 | 63 | 4:45.2 | |
7枠11番 | エアカーディナル | 熊沢 | 63 | 4:45.6 | |
5枠7番 | トーセンメリッサ | 大江原 | 61 | 4:49.1 | |
6枠9番 | アップトゥデイト | 白浜 | 63 | ◎ | 中止 |
結果:-400円
何度目か分からない、またもダート重賞は3歳馬の勝利。
グリムが逃げて、ミツバが砂を被らないように外の2番手を追走。それを見るように進んだチュウワウィザードが最後は2頭を差し切り、重賞初挑戦で初勝利を決めた。
2着にミツバ。1枠が不安だったが、早い段階で外に出して力を出し切った。いつものように砂を被らないために外を回る競馬で、コーナーの多い小回りの長距離戦では当然ロスが大きくなるのだが、それでもちゃんと上位に食い込んでくるのだから間違いなく高い能力を持っている。勝ち馬とは、このコースロスの分と、斤量の差があったことを考えると、勝ち馬とは互角以上の実力があるだろう。
グリムは単騎で逃げたものの最後の直線で力尽きて3着。上位2頭に比べると少し力不足だったか。白山大賞典と同様にセンチュリオン、カツゲキキトキトには大きな差を付けての3着なので、この距離でパフォーマンスが落ちたわけではないだろう。
そのセンチュリオンは飛び上がるようにスタートしてしまい、後方からの競馬になったのが痛かった。ただ、それでも前の3頭との力の差は大きかったように思う。
カツゲキキトキトは今年は馬券に絡めず5着。力が落ちたわけではなく、今年のJRA勢のメンバーが強力だったのが敗因だろう。
8枠8番 | チュウワウィザード | 川田 | 54 | ▲ | 2:40.7 |
1枠1番 | ミツバ | 福永 | 56 | △ | 2:40.8 |
7枠7番 | グリム | 武 | 54 | ○ | 2:41.2 |
5枠5番 | センチュリオン | 大野 | 56 | ◎ | 2:42.3 |
6枠6番 | カツゲキキトキト | 大畑 | 56 | △ | 2:42.5 |
3枠3番 | ナムラアラシ | 岩田 | 56 | 2:43.1 | |
2枠2番 | ハッピースプリント | 宮崎光 | 57 | 2:44.5 | |
4枠4番 | トーセンノワール | 岡部 | 54 | 2:45.8 | |
8枠9番 | ブランニュー | 今井 | 56 | 2:47.1 |
結果:ワイド270円的中 -230円