2020年01月02日

ペラ競馬(マレーシア)観戦記

年をまたいで、海外競馬観戦記の続きです。
前回のセランゴール競馬観戦記から続いて、翌日に訪れたマレーシアのペラ競馬場です。
細かいスケジュールは前回に書いた通りで、土曜がセランゴール競馬、日曜がペラ競馬という開催の週を狙ってマレーシアに行った時のものです。
ペラ競馬場はイポーという街にあります。そのためイポー競馬場という方が通じるのかもしれません。


イポーまでは、クアラルンプールの交通の中心、KLセントラル駅から特急電車で2時間半ほど。ただその電車は指定席で、わりとすぐに満席になるらしい。この時も2週間ほど前に予約をしたのだが、狙っていた電車は満席だったのか、予約のページに表示されなかった。
それでも9時に出て11時41分に到着の、まずまずの時間の電車に乗ることができた。値段は36リンギット、およそ930円なので、長時間の指定席の特急列車としてはかなり安い。
駅では発車数分前までホームに入れなかったためちゃんと動くのか不安だったが、その発車数分前に改札が始まると一斉に乗客が電車に流れ込み、そのまま時間通りに発車した。最初の数駅は近郊の鈍行列車と同じ線路を走っているため多少の遅延があったのだが、その後はほとんど遅延なく快適な旅になった。席もクッションの効いた日本の特急列車と大して変わらないようなシートで、長時間の旅も苦にならない。単なる木の椅子が並んでいて、時間に遅れたり逆に早まったりするタイの国鉄とは大違いだった。


この時はイポー行きに乗ったため、イポー駅が終点。駅前はタクシーが並んでいるのでここから競馬場まで、と言いたいところだが、そこまで急ぐ必要もないので、街中で昼飯を食べてから競馬場に行くことに。
街の中心部へ向かって歩いていたのだが、どうもこのイポーの街は、「イポー」の圧が強い。

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最近は日本でも見られるが、こういうのがあると写真を撮りがいがあるし、特に外国人からすれば、「こんな街に来たぜ」アピールするのにちょうどいい。


街の賑わっているところまでは徒歩15分程度。ガイドブックなどにも載っている、イポー名物らしいもやし炒めを食べた。あとは豚肉の唐揚げみたいなやつも。
正直、もやしが名物ってことに違和感しかなく、もっと美味いものか、そこにしかないようなものを食べるつもりだったが、これと言った名物が分からなかったので結局もやし炒めに。これが想像以上に美味かった、というのも、別にもやしがウマイのではなく、味付けのタレが。

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食べ終わると競馬場へ。腹ごしらえも終わったので、今度こそタクシー・・・を使うわけはなく、ここから30分ほど歩いて競馬場へ。途中、歩道のない道を歩くことになったが、植え込みのようなものがあったので、その上を歩いて行けば全く身の危険を感じることはなかった。むしろ気がかりだったのは、警察とかが来て「そこを歩くな!」と言われたらどうしようかと心配していた。
当たり前の話だが、その植え込みを歩く間、歩行者とすれ違うことはなかった。横を走る車の運転手からどう見られていたのかは知らんが。

市街地から競馬場まで徒歩30分。つまり、駅から競馬場までは徒歩45分ほど。普通の人にとっては全く参考にならない情報だろう。タクシーか何かを使うだろうから。

ルートは、競馬場に面する大通りをひたすらまっすぐ歩けば競馬場に着く。市街地から歩いて行けば、まず裏門が見えてくるので、そこから入れば近い。ただ、この時はグーグルマップが裏門の存在を知らなかったのか、裏門をスルーして正門までのルートしか表示してくれなかった。まあ、徒歩でこの競馬場に行く人がいるとは思えないが、グーグルマップを無視して、写真のような競馬場の看板の場所から裏門に入れる、ということを書いておく。

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入場券はセランゴール競馬場と同じ6リンギット。セランゴールと違ってペラペラの紙の入場券だが、面白いことに、その6リンギットの内訳が細かく記載されていた。

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入場料は4.53リンギットで、他に税金の内訳まで書いてあるのはなかなか面白い。
印字されている9092というのは、もしかすると年間トータルの入場者数かもしれない。

新聞はというと、親切にも前日にセランゴール競馬場を出たところに、翌日の新聞が前売りされていたのを見つけて買っておいたので、ここで買う必要はなかった。レースが始まる前はその日の新聞を売っていて、レースの終わりが近づくと翌日の新聞を売るという、2日続けてカモにする、いや客に来てもらうよう販売しているのはありがたかった。

この日のペラ競馬場の1レース発走は12時50分。狙っていたよりも遅い電車しか予約できなかったため、1レースからの参戦は間に合わなかったが、それでも2レースには間に合った。いやそれならタクシー乗れや、というツッコミは受け付けない。


ペラ競馬場の中に入っていく。

クアラルンプールにあるセランゴール競馬場と比べると、規模の小さなイポーの街の競馬場なので、競馬場の設備自体はそれほど豪華ではなく、取り立てて書くような設備はない。セランゴール競馬場ではにぎわっていた屋台群もここにはなかった。

そのかわりに、とにかく観戦スペースが広い。というのも、スタンドとコースとが結構離れており、その間が芝生スペースになっている。その芝生エリアが、日本の競馬場の芝生エリアに比べると、かなり丈が長く伸び散らかしているようなものだった。スコールなどで大雨が降ることを考えると、水分を吸収してもらう役割があるのかもしれない。もちろん、ほったらかしにされている可能性も否めないが。

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屋外席があるのは上の階で、下の階には席はなく基本的には通路か立ち見用の場所。このあたりは屋根もついていないので、スコールのことを考えるとわざわざ下で見る人もいないのかもしれない。それに、やはりセランゴール競馬場同様にターフビジョンがないので、上の席にいないとレース映像をテレビで見ることができない。

なので、基本的にはスタンドの上の席に陣取って行動することになる。そしてパドックに馬が出てきた時だけ前のほうに行って見ることになる。

あとは、オッズや払い戻しを、テレビモニターではなくコースの中にある大型の掲示板で見たいという、自分のような風変わりな人くらいしか、わざわざ前に行く必要はないだろう。

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パドックはセランゴール競馬場と同じようにスタンドのコース側にあるタイプだが、面白いのはパドックが2つあること。ゴール板よりも少し1コーナー側と、ゴール前の方とに分かれている。
パドックが分かれている理由は、観戦記を読み込んでくれている人ならばこれだけでピンと来るかもしれないし、前日に同じマレーシアの競馬場にいた自分は、見ただけでピンときたが、そんな東南アジア競馬オタクみたいな人はなかなかいるまい。
1コーナー側は会員エリアで、まずその前のパドックを周回する。上流階級は優遇される世の中なのだろうか。ただそれで終わることなく、ありがたいことにその後、一般エリアの下民共の前でもパドックを周回してくれる。マレーシアのパドック派にもちゃんと予想材料を与えてくれる、ありがたい競馬場である。というと大げさで、要は会員エリアと一般エリアの前で順番にパドックをするだけのこと。ただ、マレーシアは暑さも考慮してか、セランゴール競馬場同様にパドックの時間は短く、一般エリアの前では2周しかしてくれない。
あと、客としてもわざわざ日光の当たる外のパドックに見に行くのを避けてか、まともにパドックを見る人はかなり少なかった。下の写真を見ても、パドックを見ているのは5人しかいない。もはやパドックいらんのでは・・・。

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そしてセランゴール同様、この会員エリアのパドックの中には、口取り用のスペースが用意されている。しかもこの日は7レースで特別戦が組まれていたようで、表彰式も見ることができた。
この特別戦は、「マジックミリオンズ ゴールドコースト 2歳セールトロフィー」というレース名だった。日本でも、門別競馬の「ローエングリン賞」のように、種付けの権利を手に入れられるレースがあったりなので、馬主が次の馬を手に入れるための副賞を用意しているということなのだろう。なんで今、数ある種牡馬の中からローエングリンが思いついたのかは自分でも驚きだが。

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つまり、このレース名を見れば副賞はなんとなく想像がつくだろうか。ゴールドコーストと言えばオーストラリアの西海岸。そこで行われる2歳セールで馬を手に入れられる権利・・・なんて考えたら大間違い。メルボルンCのような、大規模な競馬が行われているオーストラリアの2歳セールで馬を手に入れる権利を、たかがマレーシアの馬主が手に入れられるわけがないのだった。

今回の写真に書かれている文字をよく見れば、この副賞の答えが書いてある。副賞は、このゴールドコーストの2歳セールの、「Free Air Ticket」だった。すっげえしょぼい・・・。マレーシアとオーストラリアなのだから、そんなに距離もなく、航空券も高くないはずだ。
しかもこれだけで止めておけばまだ良かったものを、悲しいことに新聞にはご丁寧に「Free Air Ticket(Economy Class)」と書かれている。せめてビジネスクラスを用意してあげて・・・と、かわいそうになってきた。日本と違って、競馬なんて儲からんのだろうという、悲しい現実が見えてしまった。
さらに推測ではあるが、用意されるのはあくまで「航空券」なので、現地の滞在費、移動費などは自腹ではないだろうか。マレーシアの馬主は、こんな鍋敷きにもならないデカイ板はひっくり返して投げ捨てていいレベルだと思う。北村友のように粗暴な行為で罰されることもあるまい。


競馬場の話に戻す。
レースは芝の左回り。ここも内回りコースと外回りコースがあるのだが、それ以上に注目すべきは何と言っても直線コース。少し田舎の広い土地を利用して、その直線コースは新潟を上回る1100m。
一度新潟で見たことがあるといっても、やはり外ラチ沿いを駆け抜ける直線競馬は、間近で見られるその迫力に圧倒される。
というか、マレーシアでも直線競馬は外ラチに寄って来るんかい。

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直線1100mの他には、1200m、1600mが行われていた。フルゲートなのかは分からないが、16頭立てのレースもあり、セランゴールよりもレース自体は非常に楽しめる競馬場だと思う。
ちなみに、1600m戦はあったことはあったものの、これは中山マイルのような引き込み線からの発走で、見るからに外枠不利なスタート位置だった。

他にも距離設定としては、1000、1400、1700、1800、1900、2000、2400mとバリエーションが豊富だった。

セランゴール同様に、長い直線があるもののやはりレースは前残り。前日にそれを学んでいたため、この日は馬券は好調。馬券売り場のおばちゃんとの相性も良かったようで、間違った馬券を買われることはなかった。
直線競馬は全く別の傾向があるのだろうか、と思いながらも、予想材料がないので新潟の知識をフル稼働して当てることができた。フル稼働と大げさに言ったが、単に、比較的人気している馬の中で外枠の先行馬を選んだだけだったが、だいたいそれで大きく外すことはなさそうな馬場傾向だった。

そんな馬券は、2レースから参戦して7レースまでの合計6レース中、半分の3レースで的中。セランゴールの時から複勝しか買っていなかったものの、収支プラスを目指して最後の7レースだけ単勝1点買いにしたところでもばっちり当たった。

ここで、帰りの電車の時間が迫っていたため勝ち逃げ。30リンギット賭けて払い戻しは41リンギット。プラス11リンギットで、前日と合わせてもプラス5リンギット、約125円の勝ちで、マレーシアの2連戦を終えた。

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ちなみに最終レースはこの日は11レースまでで、30分か35分間隔で最終18時15分まで続いていた。日によって時間帯が違ったりするが、公式ホームページでちゃんと記載されているので調べておけば問題ない。


あとは細かいところで言えば、セランゴールの時はレース前のファンファーレが船橋競馬場の通常競走と同じ、軍隊で使われたラッパのフレーズだったが、こちらの競馬場では、競馬のイメージが比較的強いと思われるウィリアム・テル序曲だった。


最後に、日本では中京競馬の「マレーシアカップ」くらいしか馴染みのないマレーシアの競馬だが、1頭だけまさかのシンコウキング産駒がいた。シンコウキングは、引退後にニュージーランドで種牡馬生活を送っていたようなので、そこから輸入された仔がマレーシアで走っていたのだろう。
地理的な距離を考えても、マレーシアやシンガポールは日本よりもオーストラリアやニュージーランドの競馬とのつながりのほうが深いと考えるのが自然だろう。


さてそんなこんなで競馬観戦も終わり、あとは帰りの話。と言いつつも、途中路肩を歩きながら、来た道をイポー駅まで引き返すだけ。

その後、予約しておいた特急電車でクアラルンプール市街地に戻って、晩飯。今回の旅行で何度目かのカレーを食べた。インド人街のカレー屋だったので、本格的なものが食べられるかと思ったが、カレー自体は日本でインド人やネパール人がやっているようなカレーと大差なかった。ただ、めっちゃ安い。

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翌日は、プトラ・モスクという、ピンク色で見栄えするモスクを見てから帰路に就いた。

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相変わらず、エアアジアの起点、クアラルンプールの第2ターミナルは出国審査で大混雑していて腹が立ったが、昼の便で出国。いつも通りのエアバスA330で関西空港へ帰り、その日のうちに帰宅することができた。


さて、こうしてマレーシア2連戦を終えたわけですが、セランゴール競馬観戦記で少し書いたように、マレーシアにはもう1つ競馬場があります。それがペナン競馬場。これはクアラルンプールからさらに飛行機を乗り継いで行かなければならず、少し面倒です。そうは言っても、やはり残っているからには行くしかないと思っています。
また、ここまでマカオ、香港、韓国、タイ、シンガポール、マレーシアと、ことごとくアジアの競馬場を攻めており、いい加減アジア脱出を企てようと思っています。

次の競馬観戦も、すでに計画は存分に立てています。
自分でも当初の予定に全くなかった所の競馬場を予定していますので、楽しみにしてもらいたいと思います。
posted by ナイト at 11:20| Comment(0) | 競馬観戦記 | 更新情報をチェックする
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