中山ではなく東京のようなレース展開。ということは、このレースは全てがジェンティルドンナのためにあったのか。枠順抽選を1番最初に引き当てて4番枠を手に入れ、楽に先行し好位に付け、そして得意の直線の瞬発力勝負に。まさかの中山コースでスタミナを問われない決着。引退の花道を飾るためのお膳立てはできていた。直線で前を行くエピファネイアを一気に捕らえて先頭へ。そのまま抜け出し、後続の猛追を振り払い、有馬記念で有終の美を飾った。最後に歴代タイ記録となる7個目の芝G1タイトルを手に入れ、テイエムオペラオー、オルフェーヴルに続き、牝馬では初の中央主要4場G1勝利を達成した。
今年の中央G1を2勝以上した馬はいない。そんなジンクスはこの有馬記念で打ち破られるものだと思っていた。それがジェンティルドンナの勝利によって、1年間続く結果となった。ドバイの勝利はあったものの、日本では勝利のなかった1年。それを最後の最後で見事に勝利で飾った。
2着はトゥザワールド。やはりこの馬は小回りの直線の短いコースは走る。ジェンティルドンナの後ろで脚を溜め、残り100mあたりでこの馬の持ち味である、一瞬の鋭い末脚を発揮。早めに外から交わして行ったゴールドシップを交わして、一気に2番手に躍り出た。兄、母同様有馬記念はこの血統は狙わなくてはいけない。
3着にゴールドシップ。スタートも決めて好位から進んで、いつも通り3コーナーからまくっていったものの、結局前半のスローのせいで、4コーナーでも前を捕らえきれず、33秒台の上がり勝負になってしまったせいで、最後は突き抜けることができなかった。
4着にはジャスタウェイ。大外から追い込んだものの展開が向かなかった。ただ、中山のこの馬場で33秒4の上がりというのは見事。世界ナンバーワンの馬というだけの力は見せてくれた。
5着にエピファネイア。やはりこの馬も直線勝負はきつい。ましては小回り中山のスローとなれば、短い直線での瞬発力が必要。スタミナ勝負で長く脚を使えるコースでないと厳しいのだろう。JCのように条件が完璧に整うことは今後もなかなかないのではないか。
2枠4番 | ジェンティルドンナ | 戸崎 | 55 | 2:35.3 | |
3枠6番 | トゥザワールド | ビュイック | 55 | ○ | 2:35.4 |
7枠14番 | ゴールドシップ | 岩田 | 57 | △ | 2:35.4 |
8枠15番 | ジャスタウェイ | 福永 | 57 | ◎ | 2:35.5 |
7枠13番 | エピファネイア | 川田 | 57 | △ | 2:35.5 |
3枠5番 | ラキシス | C.デムーロ | 55 | 2:35.5 | |
4枠7番 | ラストインパクト | 菱田 | 57 | 2:35.5 | |
1枠1番 | トーセンラー | 武豊 | 57 | 2:35.7 | |
6枠12番 | デニムアンドルビー | 浜中 | 55 | 2:35.7 | |
5枠10番 | フェノーメノ | 田辺 | 57 | ▲ | 2:35.7 |
6枠11番 | サトノノブレス | 池添 | 57 | × | 2:35.9 |
5枠9番 | ウインバリアシオン | 藤岡康 | 57 | 2:35.9 | |
2枠3番 | ワンアンドオンリー | 横山典 | 55 | 2:36.0 | |
1枠2番 | ヴィルシーナ | 内田 | 55 | 2:36.1 | |
4枠8番 | メイショウマンボ | 武幸 | 55 | 2:36.4 | |
8枠16番 | オーシャンブルー | 蛯名 | 57 | 2:36.4 |
結果:ワイド1190円的中 +590円
ディープインパクト産駒は中山では走らない。そんな常識を覆す見事な末脚を見せたのはシャイニングレイ。新馬でラスト2ハロン連続で10秒8という鮮烈なパフォーマンスを見せたこの馬が、重賞でもその脚を発揮した。ディープインパクト産駒ながらも500キロを超える雄大な馬体で、中山をも苦にしないパワーがある。もしかするとかなりの大物になるのか。クラシック戦線を期待したい1頭が現れた。
ただ、2、3着もそうだったが、結局内が思いのほか伸びる馬場状態だったか。好位で脚を溜めたシャイニングレイに続いて、好位の内で脚を溜めたコメートが2着。新潟2歳S4着馬だが、鞍上嘉藤という点だけで人気を落としていたのではないだろうか。
3着には内からするする抜けてきたブラックバゴ。バゴ産駒は1200mでよく見かけるが菊花賞を制したビッグウィークを輩出したりと、距離適性が全く分からない。ただ、こういうパワーのいる馬場が合っていることは間違いないだろう。
人気のダノンメジャーやティルナノーグは外を回したが他の馬と脚色が一緒になってしまった。
5枠10番 | シャイニングレイ | 川田 | 55 | △ | 2:01.9 |
3枠6番 | コメート | 嘉藤 | 55 | 2:02.1 | |
4枠7番 | ブラックバゴ | 戸崎 | 55 | 2:02.1 | |
2枠3番 | ソールインパクト | 福永 | 55 | 2:02.1 | |
4枠8番 | エニグマバリエート | 岩田 | 55 | 2:02.3 | |
6枠11番 | マサハヤドリーム | 田辺 | 55 | 2:02.3 | |
1枠1番 | タンタアレグリア | 三浦 | 55 | ▲ | 2:02.4 |
1枠2番 | レトロロック | C.デムーロ | 55 | 2:02.4 | |
5枠9番 | ダノンメジャー | 小牧 | 55 | ◎ | 2:02.4 |
6枠12番 | ディアコンチェルト | 後藤 | 55 | 2:02.5 | |
8枠15番 | ティルナノーグ | 武豊 | 55 | △ | 2:02.5 |
3枠5番 | マイネルシュヴァリエ | 柴田大 | 55 | 2:02.6 | |
2枠4番 | フォワードカフェ | 蛯名 | 55 | ○ | 2:02.6 |
7枠14番 | タイセイアプローズ | 浜中 | 55 | 2:03.4 | |
7枠13番 | ジャジャウマナラシ | 左海 | 55 | 2:03.6 | |
8枠16番 | ナンヨーテンプル | 柴田善 | 55 | 2:03.8 | |
8枠17番 | メイプルレインボー | 柴山 | 55 | 2:04.4 |
結果:-500円
ハクサンムーンが逃げてミッキーアイルがあまり追いかけなかったため、意外にも前半3ハロンが34秒3と落ち着いた形に。こうなると、去年に続いて先行馬有利の展開に。
逃げたハクサンムーンは距離が長いとして、ミッキーアイルも最後は失速。それを捕らえたのは最初から逃げ争いに加わらず3番手で待機したコパノリチャード。大外枠で無理に逃げずに前の2頭を見る形が功を奏したか。しかし、最後の末脚勝負という点では劣るこの馬。同じように好位にいたディープインパクト産駒の末脚には適わなかった。
勝ったのはリアルインパクト。休み明け2走目で見事に復調。連覇達成となった。
3着にはダイワマッジョーレ。今年は全くいいところがなかったのに、どうして5番人気にも支持されたのか。もしかすると、今までいろいろ走っていたが、1400mがベストなのではないだろうか。こちらも出遅れ気味だったが好位に付けて、最後は脚を伸ばした。
外からウリウリやホエールキャプチャの牝馬2頭も追い込んだが展開も向かず前には届かず。
引退レースのサンカルロは、直線で前が詰まり気味だったこともあったが、末脚不発のまま終わってしまった。
4枠8番 | リアルインパクト | ビュイック | 57 | 1:20.7 | |
8枠18番 | コパノリチャード | 武豊 | 57 | 1:20.7 | |
2枠3番 | ダイワマッジョーレ | C.デムーロ | 57 | 1:20.7 | |
1枠1番 | ウリウリ | 福永 | 55 | ○ | 1:20.9 |
5枠9番 | ホエールキャプチャ | 蛯名 | 55 | 1:21.0 | |
2枠4番 | オリービン | 岩田 | 57 | 1:21.0 | |
3枠6番 | ミッキーアイル | 浜中 | 56 | △ | 1:21.1 |
3枠5番 | サクラアドニス | 丸田 | 57 | 1:21.1 | |
4枠7番 | ダノンプログラマー | 国分優 | 57 | 1:21.1 | |
6枠12番 | タガノブルグ | 藤岡康 | 56 | 1:21.2 | |
7枠15番 | サダムパテック | 菱田 | 57 | 1:21.4 | |
1枠2番 | フォーエバーマーク | 幸 | 55 | 1:21.4 | |
6枠11番 | サンカルロ | 吉田豊 | 57 | ◎ | 1:21.4 |
8枠16番 | クラレント | 田辺 | 57 | △ | 1:21.4 |
7枠14番 | ロサギガンティア | ブノワ | 56 | ▲ | 1:21.4 |
7枠13番 | アドマイヤサガス | 小牧 | 57 | 1:21.7 | |
8枠17番 | トーホウアマポーラ | 酒井 | 55 | 1:21.9 | |
5枠10番 | ハクサンムーン | 戸崎 | 57 | 1:22.3 |
結果:-500円
コパノリッキーが逃げてホッコータルマエがその後ろに付けていく展開に。直線でホッコータルマエがコパノリッキーを捕らえるとそのまま突き放す圧勝。コパノリッキーはやはり距離が長いか、それとも右回りが苦手なのか、このコースでは勝ちきれない。
そして意外だったのはワンダーアキュートが全く伸びない。安定感抜群のこの馬が今回は直線で全く伸びず7着だった。
その隙をついて3着に突っ込んだのは好位から進んだサミットストーン。4着にはハッピースプリント。
ローマンレジェンドとクリソライトはムラがあると言ってもこの舞台で両方とも見せ場なく敗れてしまった。
3枠6番 | ホッコータルマエ | 幸 | 57 | ◎ | 2:03.0 |
4枠7番 | コパノリッキー | 田辺 | 57 | △ | 2:03.8 |
7枠13番 | サミットストーン | 石崎駿 | 57 | 2:04.1 | |
6枠12番 | ハッピースプリント | 吉原 | 55 | 2:04.4 | |
8枠16番 | ローマンレジェンド | 岩田 | 57 | ▲ | 2:04.7 |
5枠9番 | トーセンアレス | 張田京 | 57 | 2:04.8 | |
7枠14番 | ワンダーアキュート | 武豊 | 57 | ○ | 2:04.9 |
1枠2番 | クリソライト | 戸崎 | 57 | △ | 2:05.2 |
8枠15番 | プレティオラス | 本橋 | 57 | 2:05.8 | |
4枠8番 | フォーティファイド | 矢野 | 57 | 2:06.0 | |
6枠11番 | シルクメビウス | 桑村 | 57 | 2:06.6 | |
3枠5番 | ロイヤルクレスト | 古川 | 57 | 2:06.7 | |
2枠4番 | ハブアストロール | 左海 | 57 | 2:07.2 | |
2枠3番 | トウホクビジン | 横川怜 | 55 | 2:07.6 | |
1枠1番 | キタノイットウセイ | 宮崎光 | 57 | 2:07.9 | |
5枠10番 | ソイフェット | デザーモ | 57 | 2:09.9 |
結果:-500円