リスグラシューが出遅れながらも抜群の手ごたえで4コーナーを回って直線に向くと、大外から突き抜けるかのような勢いで末脚を伸ばす。しかし、馬群から抜け出した時点で、さらにその前にソウルスターリングが抜け出していた。
勝ったソウルスターリングは3戦3勝。好位から直線で抜け出して後続に一気に差をつけ、リスグラシューの猛追も寄せ付けない快勝だった。ルメールは去年に続いて香港で有力騎手不在の阪神JFで空き巣勝利を決めた。
2着にリスグラシュー。出遅れても最後まで脚を伸ばし続けたこの馬はやはり距離が延びてこそではないだろうか。来年のオークスの本命候補。
重賞馬が揃っていた今年の阪神JFだが、終わってみればこの2頭が抜けていたか。
レーヌミノルが3着に粘ったが、やはり距離が長いのだろう。
ヴゼットジョリーは新潟2歳Sからぶっつけで、間に少し体調を崩していたということも影響していたのか、馬体重マイナス10キロ。それでも5着だからまずまずの力はありそう。まだ見切れないのはこの馬。
あとはジューヌエコールは道中引っかかって勝負にならず。
1枠2番 | ソウルスターリング | ルメール | 54 | △
| 1:34.0
|
8枠18番 | リスグラシュー | 戸崎 | 54 | ○
| 1:34.2
|
2枠4番 | レーヌミノル | 蛯名 | 54 | △
| 1:34.5
|
1枠1番 | ディーパワンサ | シュタルケ | 54 |
| 1:34.8
|
8枠17番 | ヴゼットジョリー | 和田 | 54 | ◎
| 1:34.9
|
7枠13番 | ゴールドケープ | 丸山 | 54 |
| 1:35.0
|
4枠8番 | サトノアリシア | 池添 | 54 |
| 1:35.1
|
6枠12番 | アリンナ | 田辺 | 54 |
| 1:35.1
|
7枠15番 | フェルトベルグ | 川島 | 54 |
| 1:35.4
|
7枠14番 | スズカゼ | 松田 | 54 |
| 1:35.5
|
6枠11番 | ジューヌエコール | バルザローナ | 54 |
| 1:35.6
|
4枠7番 | ブラックオニキス | 城戸 | 54 |
| 1:35.7
|
3枠6番 | ショーウェイ | 松若 | 54 |
| 1:35.9
|
8枠16番 | シグルーン | 藤岡康 | 54 | ▲
| 1:36.0
|
5枠10番 | クインズサリナ | シュミノー | 54 |
| 1:37.1
|
5枠9番 | ジャストザマリン | 四位 | 54 |
| 1:37.3
|
3枠5番 | ポンポン | 嘉藤 | 54 |
| 1:37.3
|
2枠3番 | エムオービーナス | 木幡初也 | 54 |
| 1:37.5
|
結果:-600円
結局、終わってみれば1、2、3番人気の決着。それも先行馬での決着となった。
ノボバカラがハイペースで逃げて、最後の1ハロンは完全に脚が止まっていたもののなんとか押し切った。北海道でダノンレジェンドと1200mで接戦を演じていたし、プロキオンSでは中央の強豪相手にきっちり勝ちきっていただけに、今後のダートスプリント界はこの馬が中心になるのだろうか。
2着にはニシケンモノノフ。3着にはコーリンベリー。順当と言えば順当。
ゴーイングパワーがこのハイペースでよく4着に粘ったと評価したい。
前半3ハロンが33秒3なのだから、普通なら最後に外から何かが飛んできてもおかしくないのだが、タールタンが5着に来るのが精一杯。1400mで先行押し切りを得意とする馬なので、末脚に期待してもしょうがない。もう少し積極的な競馬をしてほしかったところ。
あとは、結局のところ例年のような後方から強烈な脚を使う差し馬がいなかったということか。強いて言えばマキャヴィティが一時期すごい脚を使っていたが、最近の調子では全くダメで、今回も見せ場はなかった。
1着:ノボバカラ ▲
2着:ニシケンモノノフ △
3着:コーリンベリー ◎
4着:ゴーイングパワー
5着:タールタン ○
結果:
ワイド810円的中 +210円
どうせスローの上がり勝負だろうと思っていたら、ダノンメジャー小牧が無駄に暴走して、さらにそれに後続も続き、しかも稍重というかなりタフなレース展開に。
こうなると、予想していた直線の瞬発力勝負ではなくなった。
瞬発力勝負は苦手だが、タフなレースでしぶとく粘る馬ばかりいるのがマイネル。マイネルミラノやマイネルアウラートもそうだが、今回出ていたマイネルハニーも同じ。マイネルの馬はどれもこれも同じ馬に見える。切れる脚を使えないが、しぶとさだけは一級品。今回のハイペースで稍重という条件はマイネルにばっちりだったのではないか。好位から早めに抜け出して最後までしぶとく粘った。
逆に、人気のフルーキーは末脚勝負で持ち味が出せる馬だろう。内からいい脚で伸びて来たが、マイネルハニーを捕らえようかというところで失速。結局4着に終わった。
2着にはフルーキーと合わせて伸びて来たベルーフ。ハービンジャー産駒なので軽い芝ではなく稍重で雨が残った馬場状態もこの馬には良かったのだろう。
3着には外から追い込んだケイティープライド。函館記念2着と雨を気にしない馬だし、函館記念2着からハンデ据え置きの52キロという恵まれた条件。しかもディープインパクト産駒なので外回りの末脚勝負も苦にしないという、条件が整っていた今回。これで差し切れなかったのはもったいない。
ブラックスピネルは5着。馬体重プラス18キロというのは成長分だろうか。来年はマイル路線で期待したいが、この程度のメンバー相手に勝ちきれないようでは苦しいか。
雨、1800mならディサイファに出番が合ってもよかったのだが、9着。やはり58.5キロのハンデは堪えたか。
末脚自慢のヒストリカルは上がり最速を記録してはいるが6着。フルーキーやベルーフらが内から伸びていたように、内有利の馬場状態だったのだろう。外を回して追い込むこの馬には不運だったか。
1着:マイネルハニー
2着:ベルーフ
3着:ケイティープライド ☆
4着:フルーキー ◎
5着:ブラックスピネル ▲
結果:-400円
こんな訳の分からないレースが1、2、3番人気で決まるなんて、競馬をやっている人は天才だらけなのか。
リエノテソーロが距離不安をものともせず快勝。
2着のシゲルコングは前走中央の500万でしぶとい粘りを見せたが、その実力はここでも十分だった。
3着に兵庫ジュニアGPを制したローズジュレップ。地方馬最先着となった。
他の地方勢は、北海道2歳優駿2着のヒガシウィルウィンが4着。鞍上に森泰斗を擁して巻き返しに期待がかかったストーンリバーは10着だった。
中央は初ダートのメイソンジュニアが5着。ハングリーベンは7着。ヨーロッパのベーカバド産駒ということなら、本当にダート向きなのかどうか。もしかすると芝のほうがいいのではないだろうか。ネコワールドはノボジャック産駒で母父サクラバクシンオーならマイルは長かったか、まさかの最下位だった。
1枠1番 | リエノテソーロ | 吉田隼 | 54 | ○
| 1:42.8
|
8枠14番 | シゲルコング | 内田 | 55 |
| 1:43.4
|
3枠4番 | ローズジュレップ | 川原正 | 55 | △
| 1:43.7
|
5枠7番 | ヒガシウィルウィン | 宮崎光 | 55 |
| 1:44.6
|
7枠12番 | メイソンジュニア | 戸崎 | 55 | △
| 1:44.8
|
4枠5番 | バリスコア | 服部茂 | 55 |
| 1:44.9
|
8枠13番 | ハングリーベン | 北村宏 | 55 | ▲
| 1:44.9
|
3枠3番 | キャッスルクラウン | 中野 | 55 |
| 1:45.5
|
5枠8番 | キャンドルグラス | 阿部龍 | 55 |
| 1:45.5
|
4枠6番 | ストーンリバー | 森泰 | 55 | ◎
| 1:45.8
|
6枠10番 | スウィフトハート | 井上俊 | 55 |
| 1:45.9
|
7枠11番 | フライングショット | 吉原 | 55 |
| 1:46.8
|
2枠2番 | ヘイジュード | 井上幹 | 55 |
| 1:48.3
|
6枠9番 | ネコワールド | 武豊 | 55 |
| 1:48.9
|
結果:-500円
ケイティブレイブがマイペースの逃げで、向こう正面で後続を突き放す完勝の展開に見えた。
しかし、この長距離が得意なアムールブリエのエンジンがかかると、あっという間にケイティブレイブを捕らえてそのまま突き放し、3馬身差の快勝。このレース連覇で有終の美を飾った。
2着にケイティブレイブ。最後は脚が上がっていたので距離が長かったか。
3着にはまさかの地元馬カツゲキキトキト。
4着モズライジンはデムーロ得意の出遅れ。そこからポジション上げていったせいで、前半で脚を使ったのが敗因だろう。スタートが良ければ3着はあったのではないか。
5着ストロングサウザーは2400mのダイオライト記念で負けているので距離が敗因だろうか。
6着メイショウヒコボシは向こう正面であっさりと失速。メイショウボーラー産駒なのでこちらも2500mは距離が長かったのかもしれない。
5枠6番 | アムールブリエ | ルメール | 55 | ○
| 2:41.7
|
3枠3番 | ケイティブレイブ | 武豊 | 55 | ◎
| 2:42.4
|
8枠12番 | カツゲキキトキト | 大畑 | 56 |
| 2:43.5
|
6枠8番 | モズライジン | デムーロ | 56 | △
| 2:44.0
|
1枠1番 | ストロングサウザー | 田辺 | 56 | ▲
| 2:44.9
|
6枠7番 | メイショウヒコボシ | 川田 | 56 | ×
| 2:45.3
|
4枠4番 | ユーロビート | 吉原 | 56 |
| 2:46.6
|
8枠11番 | ヴィルトグラーフ | 田中純 | 56 |
| 2:49.2
|
2枠2番 | リワードレブロン | 永森 | 56 |
| 2:49.2
|
7枠9番 | アップアンカー | 佐藤 | 56 |
| 2:49.9
|
5枠5番 | ケントリュウコウ | 加藤誓 | 56 |
| 2:55.5
|
7枠10番 | トゥルーカラーズ | 倉兼 | 54 |
| 2:57.3
|
結果:-400円
有終の美を飾ったのはモーリス。あまりにも強すぎた。スタートの出遅れもなんのその。馬群を割って一気に突き抜けて来ると、逃げるエイシンヒカリを捕らえ3馬身差の楽勝。力の違いを見せつけて、引退がもったいないと感じるほどの圧倒的な強さだった。
一方のエイシンヒカリは、ぶっちぎりの勝利を期待させる大逃げに出たものの直線で失速。10着と最後を飾ることはできなかった。ただ、この馬らしい終わり方と言えるだろう。
2着には地元のシークレットウェポン。
地元勢でこれまで活躍していたデザインズオンロームとブレイジングスピードはもうそろそろ世代交代か。
3、4着には日本馬ステファノスとラブリーデイ。モーリスは別格として、2着に来れなかったのだからやはり海外G1を勝てるほどのレベルではないということか。直線半ばではこの2頭がモーリスに続いてエイシンヒカリを追う形となったが、最後に脚が止まってシークレットウェポンに差されてしまった。
ラブリーデイは全盛期ならチャンスがあったかもしれないが、天皇賞秋に続いて連続でステファノスに負けるようではもう厳しいか。
1着:モーリス ◎
2着:シークレットウェポン △
3着:ステファノス ▲
4着:ラブリーデイ
5着:ブレイジングスピード △
結果:
馬単1370円的中 +770円
日本馬ロゴタイプ、ネオリアリズムが好位から進み、直線で馬群から抜け出すかという手ごたえだったが、やはり距離が短いほど香港勢は強い。外から一気に交わし去ったのはビューティーオンリー。
それに続いてヘレンパラゴンも外から伸びてきて2着に。
それにジョイフルトリニティ、コンテントメントと地元勢が続いた。
香港最強馬エイブルフレンドは復活ならず6着。
日本馬はロゴタイプの5着が最先着。ネオリアリズムは9着、後方から脚を伸ばしたサトノアラジンは7着だった。
1着:ビューティーオンリー ▲
2着:ヘレンパラゴン
3着:ジョイフルトリニティ
4着:コンテントメント ◎
5着:ロゴタイプ
結果:-500円
香港マイル以上に、香港スプリントは日本馬に出番なし。直線に入るところまでは少し期待させる手ごたえだったが、直線では全く歯が立たなかった。
逃げる去年の覇者ペニアフォビアを外から差し切ったのは去年の高松宮記念の覇者エアロヴェロシティ。さらに前哨戦でエアロヴェロシティらを破っていたラッキーバルブズが2着。馬番1、2、3というレーティング上位3頭での決着となった。
1着:エアロヴェロシティ ◎
2着:ラッキーバブルズ ○
3着:ペニアフォビア △
4着:アメージングキッズ
5着:サインズオブブレッシング
結果:
ワイド2350円的中 +1850円
香港国際競走4レースの中で最も人気を集めたハイランドリール。その圧倒的人気は、日本での馬券でさえ単勝1番人気に推されるほど。そんな圧倒的な1番人気のハイランドリールが逃げて直線で後続を突き放すと、完勝ムードが漂う。
しかし、そんなハイランドリールを目がけて馬群からただ1頭抜け出したのは日本のサトノクラウン。鞍上モレイラが内ラチ沿いで脚を溜め、4コーナーで詰まることを恐れず追い出しを待って位置取りを下げるほどにまで末脚勝負に徹したその判断に、サトノクラウンも応えた。直線に向くと狭い馬群を割って抜け出すと、ハイランドリールを猛追。
逃げるハイランドリールを追うサトノクラウン。3着以下に7馬身もの差をつける2頭の争いを制したのはサトノクラウンだった。香港国際競走1発目からの大番狂わせで日本を歓喜の渦に巻き込んだ。
ヌーヴォレコルト、スマートレイアーは外枠に泣いたにもかかわらず4、5着と大健闘。この2400mという距離の香港ヴァーズは、香港勢は圧倒的に格下だがヨーロッパ勢が強く、日本馬がなかなか勝ちきれていなかったがステイゴールド以来2頭目、15年ぶりの快挙達成となった。
1着:サトノクラウン
2着:ハイランドリール ◎
3着:ワンフットインヘヴン
4着:ヌーヴォレコルト
5着:スマートレイアー
結果:-300円